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店舗紹介

活版工房 丹

活版工房 丹

活版工房 丹は奈良で60年続く老舗の印刷会社「実業印刷」が活版印刷技法を守り、地元の奈良で生まれる味わいのある印刷物を提供する専門店です。

店名の「丹」は「あか」で水銀の錆の色、古代の奈良が日本の中心で最も元気な時代の価値を象徴する色。道教の神仙思想において重要なもの、という意味を持ちます。

提供する商品は、遣隋使、遣唐使によって伝わる宝物保管の正倉院、その宝物の模様、大和の伝統行事、古墳文化など奈良ではの文化をデザインし、進物品、贈答品に使える紙製品として発信していくことをミッションとする専門店です。

活版印刷名刺の事例、紙見本の一部も展示しております。近鉄奈良駅から徒歩2分の位置にあり、店舗での名刺注文も承っておりますのでお気軽にお越しください。

商品
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店舗情報

店舗住所

〒630-8214 奈良市東向北町6番地

電話番号

0742-93-7721

定休日

なし

運営会社

実業印刷株式会社 グッズ事業部
〒630-8144 奈良市東九条町6-4
TEL:0742-62-3408
FAX:0742-62-1808
WEB:http://www.jitsugyo.jp

商品
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アクセスマップ

活字テーブルについて

店舗中央に商品が並べられているテーブルがありますが、約4万文字の活字が埋め込まれています。店舗の設計会社のデザイナーさんが、当社に眠っていった活字を活用したテーブルを提案してくださいました。サイズ違いや書体違いの活字が並べられ、また未使用の活字は白いもの、使用済で洗った活字は黒いもので、模様のようになっています。今となってはデジタル化が普及して使うことがなくなってしまった活字ですが、過去の産物として記念にとっておいたものが再利用された思い入れのあるテーブルです。店舗にお越しの際は良かったらご覧ください。

テーブル
テーブル
テーブル

活版印刷とは

活版印刷とは、印刷技術の一種です。活版印刷は厳密には、鉛合金からできた「活字」を一文字ずつ組み合わせた組版で印刷する方法を活版印刷、データなどから凸版を起こして印刷する方法を凸版印刷と呼びます。組版や凸版にインクを塗り、紙に押し当てると凸部に付着したインキが紙に転写されます。活版印刷も凸版印刷も風合いとしては同じで総称として活版印刷と呼ばれており、元々は一般的な印刷物として凹凸のないフラットなものでした。今ではあえて圧力をかけることによって活版印刷ならではの凹みができ、ぼこぼことした手触りや陰影、かすれなど、デジタルの印刷にはない独特の風合いを生み出しています。

活版印刷の歴史

江戸時代直前の13世紀末に金属活字による活版印刷の技術が伝わりましたが、江戸幕府によるキリシタン禁制令や、アルファベットに比べて漢字の文字種が膨大であることや、くずし字が活版印刷に向いてないことから、活版印刷は普及しませんでした。
しかし、江戸幕末期にオランダから長崎へ再び西洋式の活版技術が伝わり、通訳者であった本木昌造らが日本語の活字開発をするなどの尽力によって、日本における近代印刷が発展しました。
その後、1970年代以降に写真植字やDTPが登場するまでの長い間、活版印刷は印刷の主流でした。21世紀初頭にかけてデジタル化によって活版印刷所は廃業したり、使っていた機械は廃棄されるようになりましたが、今でも数少ない印刷会社が機械を保有しており、手作り感や独特の風合いを好む愛好者がいます。

実業印刷の活版印刷について

当社でも1980年代頃までは活字を使った活版印刷を主流として行い、新聞、市町村誌、自費出版の本などを制作していました。様々な文字サイズ、書体ごとに活字を入れた活字棚からを一文字ずつ文字を集める作業を「文選」と呼び、活字を拾い終えたらそれを版に組んでいく作業を「植字」と呼びます。A5サイズで1,000ページの印刷物を制作する場合、版は500枚にも及び膨大な量になります。当時は「文選工」「植字工」といった職人がいてすばやく作業をしていましたが、今ではそのような膨大な量の活版印刷はしておらず、データから版を起こす凸版印刷が主流となっています。活版印刷機はドイツ製のハイデルベルグプラテン、KSBシリンダーを使用し、機械を取り扱う熟練の職人は健在で、圧力のかけかたや、紙の特性の理解や色の出方の調整など、品質にこだわり仕上げています。
今でもアルファベットだけで組むページ数が少ないものは活字での活版印刷でも対応は可能です。日本語の活字はほとんど廃棄していましましたが、記念に残していたものは置き場所を取っており、その一部を先に紹介した活字テーブルとして活かすことにしました。

活版印刷
活版印刷
活版印刷
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