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奈良を「伝える」活版工房 丹 TAN

66 蘇芳地金銀花鳥絵箱 第28号 より

■正倉院宝物とデザインについて
正倉院宝物は一度に成立したのではなく、何段階かに分かれて成立しており、成立過程も皇室からの献上品、東大寺独自の収蔵品、皇室以外からの献上品と様々である。
もっとも根幹をなすものは、聖武天皇の七七忌に光明皇后が天皇遺愛の品々ならびに皇后に縁のあるものを東大寺大仏に献上したものである。その後も若干の宝物が光明皇后から東大寺に都合五度にわたって献上された宝物は正倉院正倉の北倉に納められ、今日に伝えられている。
光明皇后が五度にわたって東大寺大仏に献上した時に副えられていた献物帳には、①国家珍宝帳 ②種々薬帳 ③屏風花氈等帳 ④大小王真跡帳 ⑤藤原公真跡屏風帳がある。「国家珍宝帳」とは正式に「東大寺献物帳」と呼ばれるべきものであるが、この献物帳の冒頭に「太上天皇の奉為に国家の珍宝を捨して東大寺に入るる願文」との文言による。
中倉、南倉の宝物には東大寺の千手堂や東小塔などに保管されていた宝物や元々東大寺に保管されていたもの、儀式に使用されていた宝物、献上物を入れた箱類がある。
これらの宝物に使われている文様を再現したのが天平文様シリーズである。

66 蘇芳地金銀花鳥絵箱 第28号(すほうじきんぎんかちょうえのはこ)(中倉152 )
長方形、印籠蓋造の箱で、ヒノキ材を染めた蘇芳色の地に、金銀泥で花鳥を描く。蓋は、短側面のうち一辺が新補。身は長側の一面だけが旧物で、残る三側面と底板は新補。このため身、特にその下半部の旧態は不明の点が多い。
図版は、その蓋表で、広狭二枚の板を矧ぎあわせて、四周に緩やかな面を取っている。図様は、蘇芳色の地にの中央に金銀泥で鳳凰絵を描き、これを大花卉文で囲み、さらにその四隅には金泥の花喰い鳥を描いている。また、取面には二重に金泥線を巡らし、その中にも金銀泥で数種のは飛鳥を交互に配している。なお、普通の印籠蓋造とは逆に、立ち上がりは蓋の方から造りだされている。
蓋・身の側面も、蓋表同様の図様を蘇芳地に金銀泥で描き、金銀泥で覆輪をとっている。蓋側面中央には、花葉に戯れる蝶を描き、その左右に両端に向かう花卉と蝶を描いている。身の側面には、中央に大花卉文、その両側左右に花卉を均整に置き、蝶を配している。新補の部分は蘇芳色塗りで無地のままとする。
内部は、淡紅色を帯びた白色顔料を塗っているが、身の内部などの新補の部分は、生地のままである。
縦23㎝ 横31.6㎝ 蓋の高さ2.9㎝ 身の高さ5.7㎝ 総高8.6㎝
朝日新聞社「正倉院宝物 中倉」より引用
66 蘇芳地金銀花鳥絵箱 第28号 より
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